①果樹園の「つくる」とお客様の「たべる」が近い存在であること

園主が会社員時代に担当していた仕事では、海外から輸入してきた果実原料が、取引先の食品工場にて加工され、膨大な数の消費者向け製品となり、日本中に配荷され、無数の消費者の手に渡っていく、というものでした。

最終的に膨大な数の最終製品となるため、ひとたびトラブルで供給が止まれば、後工程の納品先には多大な影響を及ぼしかねず、様々な面でそのプレッシャーは大きいものでしたが、人知れず日本の食を支えているという自負もありました。

一方でサプライチェーン川上の仕事であるが故に、最終的に私が携わった果実を口にするお客様と関わる機会はほとんどなく、私の仕事の先には商品を手に取り、食べてくださる1人1人のお客様が、確かにいるはずなのですが、その現実感は薄いものでした。

それらの経験から、自分の農園では、”規模を追い求めることは難しくとも、自身の仕事の成果として、自らがお客様の反応を実感でき、またお客様にも農園を身近に感じて頂ける、そんな「つくる」と「たべる」が近い果樹園にしたい、そんな想いを込めています。